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★report★ 国立西洋美術館『クラーナハ展ー500年後の誘惑』

あの有名なマルティン・ルターと親友だったという、ルーカス・クラーナハ。

国内初の大回顧展が、国立西洋美術館で開催中。

展覧会が始まる前から独特の不思議な作品が気になって仕方ありませんでしたが、クラーナハの描く人物たちに魅了されて帰ってきました!

描かれる人物たちがとても不思議なんです。

実在の人物が描かれているんだけど、空想上の人物のような抽象的な感じがあり、物語上の人物なんだけど、実在の誰かを描いているような、なんとも言えない、ある種、記号化された人物のような感じがしました。

気づくと、作品の中の人物たちにこちらの心の中まで見透かされているような、魔性を感じる作品ばかりです。

個人的には、「ヘラクレスとオンファレ」がお気に入り。一番右端の女性、女優のキルスティン・ダンストにちょっと似てませんか?こんな表情で見つめられたら落ちちゃいます、私。

「聖カタリナの殉教」は想像以上に鮮烈で、とても美しく、長い時間見とれてしまいました。現代の私たちですら息を飲む鮮烈なイメージなのに、500年前の人々はこの作品を見てどう思ったんでしょうね。

見終えた後は、魔法が解けてハッと我にかえるような気持ちになります。

タイトル通り、まさしく“500年後の誘惑”。まだご覧になっていない方はぜひ。

国立西洋美術館で来年1/15(日)まで。

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