東京都美術館『ボッティチェリ展』
現在、東京都美術館でサンドロ・ボッティチェリの回顧展が開催されています。
イタリア・ルネサンス期を代表する巨匠のひとりであり、レオナルド・ダ・ヴィンチやラファエロと並ぶ画家と称されながらも、本格的な回顧展は日本初!作品の多くが板に描かれていたため、とても繊細でまとまった作品数の来日は難しかった作品たちですが、日伊国交樹立150年周年となる本年、イタリア政府の全面協力もありついに実現しました✨
静かな夜に見える白い月、そんな神秘的な姿とボッティチェリの作品はよく似ています。
反射光のような不思議な色の美しさと、その独特の線を描いた画面。
テンペラという技法で板に描かれた作品は、油絵のように脂っぽくならず、さらっとしていて発色に濁りを感じません。陶器のような白い肌に、人物たちの衣装や、繊細な髪の毛など、その色鮮やかさは500年という時の流れを感じさせません。
そんな、繊細な作品を描いてきたボッティチェリですが、じつは相当なおちゃめさんらしくこんな逸話まで残っています✨
ある時、弟子の一人が描いた作品の買い手を見つけてきたボッティチェリ。弟子が工房から帰った後、その絵の中の天使たちに、実在の人々の似顔絵を蝋で
貼り付けたのです。
翌日、工房に買い手がやってきますが、自分の絵を見た弟子は大慌て!しかし、買い手はボッティチェリの共犯者だったのです。その絵を褒めて、約束の金額を支払いました。
再び、弟子が工房を留守にした隙に、似顔絵を剥がして、戻ってきた弟子はさっきまで似顔絵が貼られていた絵が元に戻っていてまたしても仰天!
うろたえる弟子と、それを見て何食わぬ顔で楽しむボッティチェリの姿は、想像するだけで楽しげです🌟
フレンツェを中心に世界各地からボッティチェリの作品が集結した、とても貴重な機会、ぜひ足を運んでみてください。
本展は4月3日まで東京都美術館で開催中です!
また2月20日発行の「FLYING POSTMAN PRESS」ではさらなるボッティチェリの魅力も掲載しているので合わせてチェックしてみてくださいね🌟