上野の森美術館『デトロイト美術館展』
来月より、上野の森美術館でデトロイト美術館展が開催されます✨
かつて、アメリカの製造業の中心だったミシガン州デトロイト。そんな工業都市に、65,000点以上の世界屈指のコレクションを誇る美術館があることはご存知でしょうか?
そもそも民主主義の国であるアメリカ、それも工業都市の美術館がなぜ、これほどまでのコレクションを築き上げることができたのでしょう。
自動車産業の有力者の資金援助があったとしても、今回出品されているような名だたる巨匠たちの名作ばかりを買い揃えるには、天文学的な資金が必要です。
実は、それが可能だった理由は、ゴッホやマティスなどの作家たちが、まだ世間で今ほどの評価を得ていない時期に、その価値をいち早く見出して蒐集を行なっていたのです😲
当時のデトロイト美術館の学芸員やパトロン、コレクターたちの審美眼は相当なもので、また彼らが強く惹かれた作品を生み出していた芸術家たちが、時代を経てトップスターになっていったことは奇跡に近い出来事です。
しかし、2013年7月にデトロイト市が財政破綻してしまいます。負債総額はなんと、約180億ドル。これは、日本円にすると1兆8000億円だそうです……!
デトロイト美術館もそのあおりを受けました。再建のため、絵画売却が取り沙汰されましたが、この危機を救おうと動いた市民たちの援助もあり、美術品は一点も売却されることはなかったそうです😌
公務員や警察の数が減ってゆき、市のサービスは低下、犯罪も増加してゆくなか、それでも市民の皆さんは先人の残した文化と芸術をお金に変えようとはしなかったのです。
デトロイトでは工場で働いている労働者も多いですが、こうして日々の生活を送っている彼らも、自分たちの生活の中に芸術があり続けることを強く願ったのです。
今回、上野にデトロイトのコレクションが来日したのはまさに奇跡✨
本展は2016年10月7日-2017年1月21日まで開催です。
しかも!全ての作品が撮影OK!!
奇跡の展覧会へぜひ足を運んでみてくださいね。
本展の魅力は9月20日発行の「FLYING POSTMAN PRESS」にも掲載されていますよ🌟