★report★ 愛知県美術館『ゴッホとゴーギャン展』
愛知県美術館で開催中の「ゴッホとゴーギャン展」に行ってきました。 東京展も観に行ったのですが、やはり空間が違うと全然印象が異なります。 個人的な感想ですが、 東京展では、ゴッホとゴーギャンの作品の合間合間に2人の言葉がちりばめられ、ライティングのコントラストも強弱があり、2人のストーリの中に入り込むような“ドラマ”のような展覧会に感じ、 愛知展では、空間の中で作品ひとつひとつが心地よく展示されており、一歩引いたところから静かに作品を楽しむことのできる“詩”のような展覧会に感じました。 作品は同じなのに不思議です。 ・愛知展について・ 会場では、各章ごとに立てかけられた木の板のパネルがあり、そこに鮮やかな色ベタが貼られ説明文が書かれていました。 また、所々、作品の下に小さいお子さん向けのメッセージがあります。 たとえば、晩年ゴーギャンが知り合いもいない南国タヒチに移り住んだ時に描いた作品。作品の中には黒い犬がポツンといるのですが、お子さんの目の高さのところに、犬の絵を切り取ったものが貼ってあります。そこには「犬が1匹でさみしそうだね。タヒチに1人でやってきたゴーギャンの姿みたいだね」というようなコメントが。そのコメントを読むと、子どもも大人も、作品への想像がふくらみます。 作品だけが淡々と並ぶとちょっとクラシカルに重くなりがちがと思うのですが、木の板だったり、シールみたいに貼られた絵やコメントだったりがアクセントとなり、いい感じに空気を崩していて、すっと作品を楽しむことができるんです。 また展覧会の中心である、ゴッホとゴーギャンストーリーを象徴するような二つの作品のところにだけ2人の言葉が添えられていて、作品とその言葉が自然と印象に残りました。 そのほかにも色々なこだわりがあり、会場全体がとってもセンスのよいスクラップブックのような、詩のような素敵な展示でした◎ まだご覧になっていない方はぜひ。 愛知県美術館で3/20(火・祝)までです。