★report★東京都美術館「ボストン美術館の至宝展」
上野・東京都美術館で開催中の「ボトン美術館の至宝展」。
ボストン美術館が誇る古今東西の傑作80点が集結するまさに “ボストン美術館の決定版”の展覧会とあって楽しみに行ってまいりました!
展覧会はまさに“ボストニアンたち”になりきってのワールドツアー✨
冒頭は古代エジプト、中国、そして日本美術からスタートです。
エジプトでは「ツタンカーメン王頭部」などがあり、やっぱり世界の文明のスタートはエジプトだよね、と旅が始まった感が高まります!
個人的にここでのお気に入りは日本の水墨画「松に鹿・蝙蝠(コウモリ)図」です。タイトル通り、松・鹿・蝙蝠が描かれているのですが、この組み合わせを水墨画で描くってかっこよくないですか?そのシンプルさに心を掴まれました。
さらに刺激を求めたボストニアンたちとともにヨーロッパへ。19世紀はヨーロッパ貴族の主に学生の中でグランドツアーという小旅行が流行したんです。今でいう卒業旅行のような感じでしょうか。みんな、のびのびと色々な地域を巡ったそうですが、そうした波に乗ってヨーロッパ美術が収集されていきました。
フランス絵画では、モネやドガ、セザンヌ、ミレーなど誰もが教科書で見た画家たちの作品が並びます。印象派の作品もあり、光に溢れ、開放感のある風が吹き込んできます。モネの花々の作品がとても美しかったです(睡蓮もありますよ!)。そして、本展の目玉でもあるゴッホのルーラン夫妻が登場!
色鮮やかばブルーを基調としたジョセフ・ルーランとグリーンを基調としたオーギュスティーヌ・ルーラン夫人。ゴッホ特有の描き方と模様は、思わず部屋に飾りたくなってしまいます!
そこからお膝元アメリカへ。ジョージア・オキーフも登場し、徐々に時が進んできたのを感じます。エドワード・ホッパーは独自の冷たい質感で日常を描く、個人的に好きな画家さんです。彼の版画作品を見られてとても新鮮でした!✨表現媒体が変わると、その作家の特徴を違う角度から感じられるのがいいですよね。モノトーンの版画作品は一見地味に見えるかもしれませんが、静かに見つめていると一番引き込まれるものかもしれません。
そしてワールドツアーフィニッシュでは一気に現代へ!
会場の照明もぱっと明るくなり、目の前には村上隆作品やアンディ・ウォーホル作品が。ツタンカーメンに出会ったのが遠い昔に感じます…。
古代から現代までを一気に眺めると、それぞれが際立って、その違いがとても心地よいものです。
美術に詳しくない方も、詳しい方も、きっとお気に入りが見つかる、大満足の展覧会だと思います✨
展覧会はいよいよ10月9日(月・祝)まで。
まだ行かれていない方はぜひ!
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「ボストン美術館の至宝展 ― 東西の名品、珠玉のコレクション」
会期:10月9日(月・祝)まで
会場:東京都美術館