東京富士美術館『遥かなるルネサンス展』
10代の少年が世界に出会う。昔も今も変わらない、そんな冒険とわくわくする気持ちに満ちた展覧会が、今週9月21日(木)より、東京・富士美術館で開幕します。
本展の主人公は、1582年2月ヨーロッパを目指し、長崎から出航した4人の少年 − 伊藤マンショ、千々石ミゲル、原マルチノ、中浦ジュリアン – たち。キリシタンであった彼らはイエズス会によってヨーロッパで見聞を広めるべく日本より派遣されたという。本展は彼らの8年半にわたる旅のうちイタリアに滞在した5ヶ月間に焦点を当て、彼らが巡った道筋に沿って彼らが実際に見たものや、その時期の作品などが並び、その旅を追体験することができるというもの。
この展覧会、その旅の中身を知れば知るほど、興味津々なのです!
というのも、彼らが長崎を出港した時、日本は織田信長が健在の戦国時代。
そんな中、彼らは“黄金の国ジパングから来た少年たち”ということで、イタリア(当時はまだ一つの国ではなくたくさんの小国がありました)各国で大歓迎!その歓迎ぶりは国のトップや貴族、枢機卿らに出迎えられ、友好を深めるためにダンスをしたり、城に宿泊したりしながら、美しい街並みをめぐる夢のようなもの。各国の熱狂ぶりは、ビートルズ来日以上だったのではないかと思います。まだ13歳だった4人の少年は素敵な人々と、その文化に出会い、心から感動し夢と希望に胸を膨らませて日本に帰ったのだそう。
当時はイタリアも日本も戦国時代。でもそんな気配を感じさせないような、「新しい文化、人に出会い感動する」という当たり前の出来事があったという事実にとても驚き、あらためて、教科書で学ぶ歴史は、世界で起こっている事実のほんの一部なんだと感じます。
10代という人生で最も多感な時に、ネットもない時代にまだ見ぬ世界に出会った少年たちの視線で巡る当時のイタリア。展覧会を見る私たちも、きっと、少年たちが見た、新しい世界を感じられるのではないかと、今からわくわくします✨
展覧会については「FLYING POSTMAN PRESS」東京版9月20日発行号でもご紹介しています!
ぜひ、チェックしてみてください^^
遥かなるルネサンス 東京展
会場:東京富士美術館
会期:2017年9月21日(木)〜12月3日(日)