★report★4/1(日)閉幕!東京都美術館『ブリューゲル展 画家一族 150年の系譜』
桜が満開を迎えた春本番、次に向けて新しいことを始めたくなるような季節となりました。
そんな前向きな気持ちとともに、いよいよ今週末に閉幕となる、東京都美術館で開催中の『ブリューゲル展 画家一族 150年の系譜』に行ってきました!
親、子、孫、ひ孫といった時間軸や、宗教、風景、農民といった7つのジャンルに沿って、“画家一家ブリューゲル”の作品、約100点が展示されています。
まずは画家一族のはじまり、ピーテル1世の作品から。”農民画家”とも言われるピーテル1世は、よく農村へ足を運び、イタリアでは2年間も旅行を楽しむなど、各地の風景を実際に見て回ったアクティブな画家。そんな彼の作品は、人物までもがその美しい風景の一部かのように見事に溶け込んでいます。その後、代々受け継がれ、ブリューゲル一族の作品の特徴ともなっていく細密な描写は下絵の丁寧さからも読み取ることができます。柔らかいながらも確実に描かれている線の一本一本を見ていると、「もはやこれ自体が作品なのでは…!」と感嘆し、そこから感じる作家の息づかいに心奪われました✨
彼の子ヤン1世が描く『田舎道をいく馬車と旅人』などの絵葉書のような手に取れるサイズでの風景画は、思わず自分の部屋に飾りたくなるほど。彼は貴族にも自分の絵を売っていたそうなので、”お客さんが手に取って近くに置いておきたくなる作品”を意識していたのだと思います。また、本展で出展されている作品のほとんどは個人が所有しているプライベート・コレクション。今も個人のコレクターが実際の生活空間に飾るなどして楽しんでいるものということもあって、より一層親近感を覚えるのかもしれませんね。
さらに足を進めると、ブリューゲル一族の代名詞とも言える花の作品を集めた素敵なゾーンが!何度も目に飛び込んでくる花びらの色鮮やかさは、葉を暗めに描くことで、両者のバランスを保っていることが印象的でした。
最後には絵画と最新技術とのコラボレーション映像を楽しむことができます。子ピーテル2 世の『野外での婚礼の踊り』がスクリーンに映し出されて、生き生きと描かれた農民たちが操り人形かのように動いているんです!絵画が実際に動き出すというなんとも不思議な現象にしばし足を止めてしまいました。
どれだけ見ても見足りないブリューゲル展。作品ごとに一族の共通点や相違点を確かめながら足を進めたり、戻ったり。まだ展示をご覧になっていない方も、もう観たけどもう1回(いや2、3回?)観るという方も、自分のペースで心ゆくまでブリューゲル一族の作品たちを楽しんでみてはいかが。
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『ブリューゲル展 画家一族 150年の系譜』
開催期間:4月1日(日)まで
会場:東京都美術館(上野)
展覧会公式HPはこちら
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