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★report★ Bunkamuraザ・ミュージアムにて開催中!「みんなのミュシャ ミュシャからマンガへ―線の魔術」


世界中で圧倒的な人気を誇る画家、アルフォンス・ミュシャ。

そのインスピレーションの源となった工芸や蔵書から、ポスターなどの代表作、そして彼から影響を受けた後世のアーティストの作品まで。これらの作品を通じて、時代を超えて愛されるミュシャの秘密をひも解く展覧会「みんなのミュシャ ミュシャからマンガへ―― 線の魔術」が、東京・渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムで開催中です。

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ミュシャといえば、華やかなポスターが有名ですよね。その中でも、ミュシャの出世作となったのが女優サラ・ベルナール主演の舞台《ジスモンダ》のポスター。

クリスマス休暇のデザイナーに変わり、当時無名だったミュシャが急遽ポスター制作を手掛けることに。それまでの情報を詰め込むことに重きをおいた“広告ポスター”とは異なり、“芸術作品”といえるようなミュシャのポスターに当時の人々は熱狂。これがミュシャを世界的トップアーティストへと後押しするきっかけとなりました。

この《ジスモンダ》、実は日本が少なからず影響を与えているようです!

展覧会では、ミュシャがコレクションしていた書物・工芸品も数多く展示されていますが、なかでも注目は、鳥や花が描かれた日本の七宝焼の壺など、19世紀後半からヨーロッパで流行した日本趣味(ジャポニスム)の工芸品。ミュシャの孫、ジョン・ミュシャは「祖父はジャポニスムから大きな影響を受けており、《ジスモンダ》など縦長の作品の形状は、間違いなく日本美術の影響がある」と語っているそう。

私たちの住む日本がミュシャの代表作に影響を与えていたなんて、嬉しいかぎりです。

ぜひ、工芸品とミュシャの作品を見比べてみてください。

これまでミュシャの展覧会は数多く開催されてきましたが、本展の大きな特色のひとつは、ミュシャが後世のアーティストたちにどれだけ影響を与えたのかを知れること。

影響を受けたアーティストたちの作品が数多く展示されており、ミュシャから派生し、世界に広がったその“系譜”を垣間見ることができます。

「え、与謝野晶子の歌集『みだれ髪』にも!?」

と驚き。『みだれ髪』の表紙には、1896年にミュシャが描いたポスター《黄道十二宮》からの影響を見ることができます。

《ジスモンダ》でミュシャが一躍有名になったのは1895年ですから、その翌年の日本の出版物に影響を与えているとは、その人気の広がりの勢いを感じます。

戦後、冷戦下でミュシャは人々の記憶から薄れつつありましたが、1963年にイギリス・ロンドンで開催された回顧展で再び見出され「ミュシャ・リバイバル」が巻き起こりました。

ミュシャが活躍したフランスのベル・エポックの時代の空気と、古い時代へのカウンターカルチャーとして若者文化が花開いた60年代が、似かよっていたからでしょう。彼の作品は、スウィンギング・ロンドンやアメリカの若者たちからの厚い支持を受けました。

こうした影響が顕著にあらわれたのがロックアルバムのジャケットやポスターを、展覧会では見ることができます。まさかのジミヘンのポスターにもその影響が!

他にも彼の影響を受けたアメリカンコミックや、日本のマンガ家たちの作品なども並びます。

これから展示に行かれる方は、ミュシャ作品との共通点を探しながら、是非新しい発見をしてみてください!

会期:2019年9月29日(日)まで開催

会場:Bunkamura ザ・ミュージアム(渋谷・東急本店横)

開館時間:10:00~18:00(金土〜21:00) ※入館は閉館の30分前まで

休館日:9月10日

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